会社をつくる時、「これっていつにします?」と聞かれたら・・・ (中編)

2019年3月25日

 みなさん、こんにちは。前回の続きになります。
 会社を作る時に、「決算月をいつにしましょうか?」と聞かれて、あれこれ考えたけど、肝心の「いつにするか?」にたどり着けなかったところまでが前回でしたね。
前回は、会社が業績を集計する1年間を決めて、決算という作業をして、決算日の翌々月までに税務申告(と納税)が必要になるというところまでお話しました。
 1年なので、12個も選択肢があります。1月から始まって12月で終わる1年から、12月から始まって翌年11月で終わる1年までの12通りです。

 国税庁が発表している平成26年度実績の統計によると、4月から翌年3月までの1年間、3月を決算月とする会社が約19.5%と一番多いですね。次が9月決算で約10.9%、12月決算で約10.0%、6月決算で約9.7%、と続きます。12月決算が多いのは意外でした。
3月を筆頭に、3の倍数の月が比較的多いみたいですね。資本金が1億円以上の会社に限っていえば3月決算の会社が約55.8%ですから、大きい会社ほど3月決算が多いと言えます。

 

 統計的な話はこの位にして、中小企業、というか小規模零細企業の会社が決算月を決めるときは、どんなことを考えればいいのでしょう。月ごとの時期的な事情をみていきましょう。
 まずは、4月を決算月にしたときです。税制改正による新しいルールの適用開始時期は、『4月1日以降に開始する事業年度より』と条文に記載されていることが多いです。
会社にとって不利な取扱いになってしまう改正でも、何もできずに決算日を迎えてしまうことがありそうですね。4月末の決算日がゴールデンウィークにかかってしまうのも気になるところです。
 5月の決算月はどうでしょう。3月決算の大企業と取引をしている中小零細企業には多い決算月という印象があります。ラスト1ヶ月で業績アップに全力投球したくても、ゴールデンウィークがあって追い込みが効かないということも。
 6月が決算月というのは、比較的多かったですね。決算のタイミングはそんなに気にしなくてもいいのかなと思います。6月が決算ですと税務申告が8月になります。税務申告のためのまとめの時期が8月になるのですが、世間も会社も夏休みムード。「ウチは夏休みなんて関係ないよ」という会社さんも多いと思いますが、取引先を含め世間的なムードの影響は案外大きいものですよ。
 7月に決算、9月に税務申告というのも目立って気にすることもないのかなと思います。
(さぁさぁ、先を急ぎましょう。。。)
 8月に決算、10月に税務申告というのは、先ほどの夏休みムードの8月が決算月になりますので、業種業態によっては売上の追い込みが全く効かないという状況が考えられます。とにかく暑いですからね、8月は。
 9月に決算、11月に税務申告という組み合わせはどうでしょう。9月に決算というのも、会社の数が多い3月決算の、その半期後ということで選ばれることが多いように感じます。11月に税務申告を済ませてから、落ち着いて年末に向けて挨拶回り、そして年越しの準備と比較的好まれる傾向にあるのかなと思います。ただ、9月中旬から下旬にかけて大型連休になってしまうこともありますので、決算日前に売上の追い込みを考えている経営者にとっては、喜んでばかりもいられない、といったところでしょうか。

 

 10月決算から先は、またちょっと長くなってきたので、また次の回に。
 いつまで引っ張るんだ、とのお声が飛んできそうですが、次回で締めます。

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2019年3月25日会社・法人